可愛そうな事件がインドで起こりました。インド北部ウッタルプラデシュ州の墓地で、生後間もない女の子の赤ちゃんが生きたまま埋められていたというのだ。
インドでは女の子が生きたまま捨てられることは少なくないらしく、イバラの茂みに捨てられていたり、砂の中に生き埋めにされて捨てられるケースがあるという。
子犬や子猫のように捨ててしまうことですら避難されることなのに、なぜこんなことが起こってしまうのか?調べてみることにしました。
生きたまま、壺のなかに生後4日の女の子が!
現地の警察による事件の経緯は以下のようです。
- 病院で死亡した自分たちの子供を埋葬するためにある夫婦が墓を掘っていた。
- すると、すぐに赤ちゃんの声が地中から聞こえてきた。
- 60~90センチ掘ったところで素焼きの壺に埋葬されていた女児を発見。
- 墓地の警備員が警察に通報。
- 女児は近くの病院に運ばれた。
- 現在、感染症と呼吸器系の障害があり集中治療室で手当を受けている。
- 女児は生後4日の新生児で、生き埋めにされてから4~6時間後に助け出されたようだ。
- 親は見つかっていないが、見つかれば殺人未遂や児童遺棄の罪に問われるだろう。
発見したご夫婦は、鳴き声を聞いたとき「死んだ娘が生き返った!」と一瞬喜んだそうです。まさかお墓を掘っているところで土のなかから赤ちゃんの鳴き声が聞こえるとは思いもよらなかったでしょうから・・・
女の子はなぜ捨てられた?
インドでは男の子を望む親らによる「女児殺し」が後を絶たない。それは貧困世帯が多いということにも関係しているのですが、娘を持つ家族は結婚時に「ダウリー」と呼ばれる高額な持参金を新郎側に支払うという習わしがあって経済的な負担が大きすぎる。
一方で男の子が生まれれば将来、親の面倒をみてくれるという考えがあるという。男尊女卑がまかり通っているんですね。また地域によっては女児を持つことは「災いのもと」とする地域もあるそうです。
結果、今回のような女児を捨てるようなことは日常茶飯事にあるようです。捨てるといっても、新生児ですから野垂れ死にの世界…残酷きわまりないのですが、それが人道的な規範から外れるという考えが無いのが事実のようです。
でも思うんですが女性がいなくなると子供が生まれなくなるのも事実なんですが、一体どうなっているんでしょうね?カースト制も根強く残っていますし、女性を蔑視する考えはインド社会には根強く残っているんですね。
インドの孤児院「クラドル」ってなんだ?
女児新生児の殺害などについて具体的な対策は、国レベルで対策は取られていないようですが、南インドのタミルナドゥ州というところでは「クラドル」という孤児院の制度があります。
1992年に開始したこの制度、望まれない女児が殺される代わりに「クラドル」という孤児院に預けられる制度。
あるクラドルでは既に3700人もの女児を引き受け、多くが里親に養子として出されているとも報告されています。
日本の人口端数以上が行方不明って!?
ただこれはごく一部の地域だけでの制度、いまも女児が生まれると捨てられることは今回の事件でも分かるように何処かで起こっています。
ユニセフの調べでは、生まれたばかりの女児を殺そうとしたり、胎児が女子だった場合に中絶するケースはあとを絶たず、これまでに5千万人程度の女児や女性が行方不明になったと見積もっているそうです。
5千万人といえば日本の人口の半数以上です。中国に次ぎ世界2位の人口を抱えるインドですけど、この数は尋常ではないですよね!
インドの街ではよく「Save Girl Kids(女児を守ろう)」という標語をよく見かけるので問題意識はあるのですが、個人の問題になるとそれは別。いずれにしてもこの受け入れがたい状況が抜本的に改善される兆しは見込めないのが現状です。
こういう現実が海外で起こっているということが悔やまれてなりません。なにかできることがあれば・・・と考えるのですが、ユニセフ支援ぐらいしか思いつかないのが残念です。
最後までご覧いただき有り難うございます。
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